横浜の金沢文庫を拠点に、子供たちを対象にしたアート教室を開いてきた浅葉和子さんの活動が、2019年で50周年を迎えました。
ハンカチーフ・ブックスでは、2019年12月に浅葉さんの活動拠点であるアサバ・アート・スクエア(ASABA ART SQUARE)を訪ね、ネイティブ・アメリカンとの出会い、金沢文庫芸術祭、虹の戦士のことなどをたっぷりとインタビュー、そのお話は発売中の『TISSUE Vol.4 毎日は愉しい』に掲載しました。

そして年が改まり2019年11月16日、次なるステップとして、マクロビオティック料理家の中島デコさんを金沢文庫にお招きし、料理教室とトークという2部構成のイベントを開催! 今回は、その時にお話しいただいた浅葉さんのメッセージを5回にわたってお届けします。

天から受け取った言葉をそのまま発するような浅葉さんのメッセージ。
当日のイベントに参加した方も、されなかった方も、いろいろな思いをめぐらせながらぜひご一読ください。

4子どもの未来は地球の未来

2020年3月22日

浅葉
(先住民広場を開いた2009年の金沢文庫芸術祭を迎えるにあたって)その時、自分のなかに、

子どもの未来は地球の未来

というメッセージがきたんです。
その時に書いた詩をね、ちょっと簡単に早口で読みます。

――
いえ、ゆっくり読んで大丈夫ですよ。
浅葉
ゆっくり読んで大丈夫?(笑) これを芸術祭の最後のステージで読んで、ちょうど読み終わったときに八景島の花火がどーんどーんとあがったの。すごかったですよ。

ちょっと目を閉じて、八景島の夜の風景とか自然を思い出しながら読んでみますね。

どこまでも続く青い空
さわやかな風
子どもたちは原っぱをかけめぐる

緑の山々に
たくさんの鳥がさえずる
レンゲ畑には蝶が舞い
小川にはめだか
大地から新しい芽が生まれる
動物たちの群れ
子どもたちの笑い声

とおいとおいむかし
今から46億年前
地球は宇宙のちりから誕生しました
そのかけがえのない地球という星の中に
わたしたちは奇跡的に生きています
自然とともに生きてきた先住民の人たちは
大切な物事を決めるとき
常に7世代後のことを考えて生きてきました

けれど
わたしたちはいつの間にか自分のことだけを考えて
文明の豊かさだけを求めて
たった100年の間に母なる大地を傷つけてしまいました

多くのものが失われ
海は汚され
たくさんの植物は姿を消し
動物たちが生きる場所を追われています

わたしたちは今こそ
先人たちを見習い
7世代後の未来を思い描くことが必要なのではないでしょうか
終わりのない物質文明から
自然とともに歩む心の文明へ

地球はひとつ
人間がつくったあらゆる垣根を取り除いたら
争いも奪い合いもなくなるでしょう
そのとき地球の未来は豊かな自然を取り戻す

豊かな自然は子どもの夢
子どもの夢は希望のタネ
希望のタネが花開くとき
地球の未来は輝いていく

子どもの未来は地球の未来
地球の未来は子どもの未来

こういう詩が生まれたんです。
ちょうどこの頃ね、いろいろなことを一番考えていたんでしょうね。

――
以前、浅葉さんにインタビューしたとき、(そのお話のなかで出た)《虹の戦士》のメッセージがあまりに素晴らしくて……。
浅葉さんおっしゃっていたように、ネイティブの人たちは誇りを持って生きていますよね? 土地を奪われ、虐げられてきたのに、自分たちがいままで大事にしてきた知恵を、虐げてきた側の白人たちのために使うという……。
白人たちの文明が行き詰まったときこそ、自分たちの知恵が役に立つはずだ、世の中を変えるいしずえになるはずだと……。
この考え方を本当にいろいろな人にシェアしたいなあっていうのが、このイベントを開いたきっかけだったんです。
浅葉
そうですよね。
それって本当にね、できそうでできないことであり、でも、やろうと思えばできることでもある。だから、ここでわたしがやると言ったら、やっぱりいろいろな人たちと一対一で向かい合い、心をつなげて、シェアをして、その人も幸せになって、わたしも幸せになって……。

幸せな心がひとりひとりの中に宿っていけば、世界は平和になる。単純なんだけど、いま、それがひとつひとつの原点じゃないかなって気がしています。

トーク中の浅葉和子さん。

(つづく)

2019年11月16日、Asaba Art Squareにて収録。

聞き手:長沼敬憲(ハンカチーフ・ブックス編集長)
撮影:井島健至
編集協力:わたなべなおか(やらだ出版

「天におられる私たちの偉大なるスピリットは、どうして白人たちが僕たちの土地を奪う事をお許しになられたのですか!?」――ネイティブの血を引く少年の問いに、部族の長老である祖母はどう答えたのか? 物語はここから始まり、様々なエピソードを交えながら、次のメッセージを伝えます。

「地球が病んで動物たちが姿を消し始める時、
まさにその時、みんなを救うために虹の戦士があらわれる」

「インディアンが昔のスピリットを取り戻したあかつきには、インディアンは白人たちに、互いに愛しあうとはほんとうにどういうことか、あらゆる人間を愛するとはどういうことかを、今度は教えることになるだろう」

以下、補足として北山耕平さんの解説から関連する箇所をご紹介します。

「世界各地の先住民の教えが伝えている。地球が病んで、動物たちが姿を消しはじめ、人々が健康を失って愚かな振る舞いを始める頃、(中略)伝説や、物語や、古い教えや、儀式や、神話や、太古の部族の風習などを、しっかりと守ってきた者たちの時代が到来すると。(中略)「虹の戦士」とは、その人たちを指す。(中略)正義と、平和と、自由に目覚め、偉大なる精霊の存在を認める存在。日本列島は、母なる地球は、その人たちの到来を必要としている」

(北山耕平・翻案『定本 虹の戦士』太田出版より)

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プロフィール

ポートフォリオ

浅葉和子 Kazuko Asaba
武蔵野美術大学グラフィックデザイン科卒業。1968年より横浜市・金沢文庫で子供の絵画教室をスタート。児童絵画を通しての異文化交流(エジプト、トルコ、アメリカ、ラオス、タイ、オーストラリア、オランダ、中国、アフリカ、メキシコなど)を行う。1991年、渡米。ロサンゼルス・カリフォルニア州立大学、ニューメキシコ大学でアートセラピーを学びながら、アメリカ先住民、北プエブロ族と交流。帰国後、子供のために絵画教室をベースにしつつ、彼らに学んだ自然との共存の精神を広く伝えるために様々な活動を展開。1999年、「金沢文庫芸術祭」を立ち上げ、アートを通じての人輿し(町輿し)運動を開始した。教室のあるスペース(アサバアートスクエア)には、一般の人が立ち寄れるカフェ&ギャラリーも併設している。著書に『魔法のアトリエ子どものデザイン教室』(創和出版)。
★アサバアートスクエア http://asabaart.com

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