5年の歳月をかけて完成させた『フードジャーニー』。長い旅の果てに日本列島にやってきた人たちが、何を食べ、どう生きてきたのか? 2019年秋の刊行に先駆けてウェブ上で全面公開します。月・木曜日の更新になりますのでぜひご覧になってください。

3細胞・身体・社会・地球をつなぐもの

2019年7月25日

食べることから生きることを見つめた場合、エネルギーを生み出すミトコンドリアは一番小さな単位になります。

このミトコンドリアが集まり、活動する場が細胞です。

細胞はミトコンドリアの力を借りて活動し、祖先からの遺伝情報を次代に伝えることで、子孫を残していきます。

ミトコンドリアを持っていない古い時代の細胞(=原核生物)は分裂することで子孫を残しますが、ミトコンドリアが備わって以降の新しい細胞(=真核生物)は有性生殖を始めるようになりました。

メスとオスが生まれ、それぞれの遺伝情報を分け合う形で、新しい個体が生まれる仕組みが出来上がったのです。

また、細胞そのものも大きくなり、それぞれが集まって組織や器官をつくり、たくさんの細胞に一度に栄養や酸素が送れるようになりました。そうやって生まれたのが植物であり、動物です。

動物のなかで最も複雑に進化したのがヒトにあたります。

僕たちの身体は細胞の集合体であり、ミトコンドリアが細胞という場で活動するように、細胞は身体という場で活動しています。その先にあるのが、個体が集まってできる社会です。

その意味では、細胞も身体も、小さな社会と言えます。

ここから先は、ヒトという生き物にフォーカスしていきましょう。

通常、社会の基本単位は家族であり、血縁によって結ばれた人たちが集まることで部族や民族が生まれます。

それは、同質の文化を共有するコミュニティと言い換えられます。コミュニティはやがてより大きなコミュニティに統合され、異質なものも包含した社会、そして国がつくられるようになります。

この国の先にあるのが、これらすべてをスッポリ包み込むように存在する地球という場、生態系です。

地球という大きな場のなかでは、社会や国は組織や器官であり、ヒトは細胞といった位置づけと言えます。スケールが違うだけで、どれも一つのコミュニティであり、それは「食べる」ことを通じて結びついています。

この世界のつながり


(つづく)

\ この記事をシェアする /

プロフィール

ポートフォリオ

長沼敬憲 Takanori Naganuma

作家。出版プロデューサー、コンセプター。30 代より医療・健康・食・生命科学などの分野の取材を開始、書籍の企画・編集に取り組む。著書に、『腸脳力』『最強の24時間』『ミトコントドリア“腸”健康法』など。エディターとして、累計50万部に及ぶ「骨ストレッチ」シリーズなどを手がけたほか、栗本慎一郎、光岡知足などの書籍も担当。2015年12月、活動拠点である三浦半島の葉山にて「ハンカチーフ・ブックス」を創刊、編集長を務める。哲学系インタビューBOOK『TISSUE(ティシュー)』を創刊。科学系インタビューサイト「Bio&Anthropos」(バイオ&アンスロポス)主宰。2018年夏、5年の歳月をかけてライフワーク『フードジャーニー』を脱稿。オフィシャルサイト「Little Sanctuary」(リトル・サンクチュアリ)

\ 最新刊のご紹介 /

TISSUE vol.04

TISSUE vol.04
特集:毎日は愉しい

内容紹介

今回のTISSUE(ティシュー)では、「毎日は愉しい」をテーマに、さまざまな分野からつむぎだされた次の7つの物語をお届けします。無限の世界につながる扉へ、ようこそ。

¥1,728(税込)

トップへ戻る