タイトルを直訳すると、「あなたの骨を感じよう」。それが英語では、「直観に従おう」という意味になります。骨と直観的なものを結びつける感覚……。不思議に思うかもしれませんが、日本人も古くから骨という言葉に大事な意味を託してきました。

たとえば、「骨がある」「気骨がある」「骨を拾う」……どれも精神との深い関わりを連想させます。つまり、目には見えない骨にこそ、その人の根本を支える大事な魂が宿っている。その骨を効果的に活用することで、パフォーマンスを劇的に向上させるメソッドが「骨ストレッチ」です。

創始者の松村卓さんと出会い、いくつかの縁がつながれていくことで、最初の本を世に送り出したのが2011年。2016年4月に収録した今回のインタビューでは、最初の本の撮影の舞台となった東京の代々木公園で松村さんと落ち合い、ゆっくりと過去・現在・未来へといたる道のりをたどっています。インタビューから3年経ったいま、当時を改めて振り返ってみましょう。

9ゴルフで「515ヤード」を超えよう!

2019年12月19日

――
どんな人にも、それだけのすごい可能性があるということですよね?
松村
ええ。それがわかっている以上、まず自分が見本を見せ続ける存在にならなければってつねに思いますね。
僕自身、全然練習はしていませんが、いまゴルフで310〜320ヤードは出ますから、まずは360ヤードを目指して、毎年10ヤードずつ伸ばして、マイク・オースチンを抜こうかって、本気で考えています(笑)。
――
マイク・オースチンは、64歳で515ヤードを飛ばし、ギネス記録に載ったという……ちょっと変わり者の、プロレスでいうカール・ゴッチみたいなゴルファーですよね?
松村
だって、あのベン・ホーガンが嫌がったわけだから。
――
数々のタイトルを手にした、ゴルフ史における最高峰のような存在が敬遠したという……。実際、マイク・オースチンは骸骨のコスチュームを身につけてスイングする映像を残していますね。
松村
私も最近、ある雑誌で同じ格好をやらされましたが(笑)、面白いですよね。骨身に任せたスイングがいかに大事か、わかっていた方ですよ。ベン・ホーガンもそうですが、往年のゴルファーはふんばらず、体をねじらず、古武術のような動きができていましたよね。
――
最近では、身体の骨組みを意識することが大事だという話をすると「なるほど」って思ってくれる人は増えてきました。でも、先ほど先生がおっしゃったのは、体内にある固体としての骨というよりも、もっと意識の本質とつながった印象を受けます。
松村
たとえば、家族で旅行した時に鳥のショーを見たんですが、そこで鳥の動きを観察していると、肩甲骨のあたりがうずくんですね。羽ばたくというのはどういうことか、自分の身体で内観できるんです。ところが、講習会で参加者の皆さんに鳥の羽ばたきを意識してもらうと……。
――
(手振りを見ながら)ああ、手だけで。
松村
ええ。それで、鳥の動きをイメージしてもう一度肩甲骨を動かしてもらうと、その瞬間、動きが一変するんです。
――
それって、頭で思い描くイメージとは少し違いますよね?
松村
対象と身体が共鳴共振する感じなんでしょうね。ですから、ほかの動物の動きを見ていても、いろいろとわかります。たとえば、僕がチーターだったら(首だけを動かしながら)振り向いたりはしない。(顔と身体を一緒に動かしながら)こう見る。つまり、顔と身体がつながっているわけです。
――
なるほど。確かにそうですよね。

(つづく)

インタビューは、2016年4月、東京・代々木にて収録(哲学系インタビューBOOK「TISSUE Vol.1」より転載)。

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プロフィール

ポートフォリオ

松村卓 Takashi Matsumura
1968年、兵庫県生まれ。中京大学体育学部体育学科卒業。陸上短距離のスプリンターとして活躍。100mの最高タイムは10秒2(追風2.8m)。北海道国体7位、東日本実業団4位、全日本実業団6位などの実績を持つ。現役引退後、ケガが絶えなかった現役時代のトレーニング法を根底から見直し、筋肉ではなく骨の活用法に重点を置いた画期的なストレッチ法「芯動骨整体(骨ストレッチ)」を創始。体幹部を効果的に活用できる「骨ストレッチ・ランニング」「骨ストレッチ・ゴルフ」などを生み出し、全国で講習会を開催するほか、独自の「WTラインシューズ」を開発。著書に、ベストセラーになった『ゆるめる力 骨ストレッチ』(文藝春秋)、甲野善紀氏との対談『「筋肉」よりも「骨」を使え!』(ディスカヴァートウェンティワン)などがある。2019年12月、スポーツ全般をテーマにした『骨ストレッチでスポーツ〜しなやかに動けるからだへ』(阿部出版)を刊行。http://www.sportcare.info

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